CBG(カンナビゲロール)は、大麻草(Cannabis sativa)に含まれるカンナビノイド成分の一つで、近年その潜在的な医療および健康効果が注目されています。CBGは、他のカンナビノイド(例:CBDやTHC)の前駆体として知られ、炎症の抑制や抗菌作用、さらには神経保護作用の可能性が研究されています。また、CBGは身体のエンドカンナビノイドシステム(ECS)に作用し、様々な生理機能の調節に寄与すると考えられています。
カンナビゲロール(CBG)は、1964年に発見されたカンナビノイドの一種で、大麻植物には低濃度で存在します。CBGは、エンドカンナビノイドシステム(ECS)の主要な受容体である CB1 および CB2 と相互作用し、神経伝達物質の分泌を促進することで、意欲、食欲、睡眠、快楽、痛みなどに影響を与えます。また、セロトニン受容体 や アドレナリン受容体 にも作用し、神経伝達物質の制御に関与することから、「至福分子」と呼ばれることもあります。
さらに、CBGには抗菌作用や眼圧低下効果があることが示されており、抗炎症作用や神経保護作用を含む幅広い健康効果が期待されています。これらの特性により、CBGは慢性疾患、感染症、神経系疾患など、従来の治療法が十分に効果を発揮できなかった分野で、有望な自然由来のサポート成分として注目されています。また、CBGは他のカンナビノイドと相乗的に作用する「アントラージュ効果」を促進する点でも研究が進められています。
抗菌作用
食欲刺激効果
これらの結果が得られたのは特定の試験条件や対象群に限られており、すべての個人や状況で同様の結果が得られることを保証するものではありません。
対象疾患と効果
不安症
51人が「非常に改善」または「大いに改善」と回答。また、従来の医薬品よりも効果が高いと感じた患者が多数。
慢性痛
38人(73.9%)が「非常に改善」または「大いに改善」と回答。
うつ病
34人が「非常に改善」または「大いに改善」と回答。
不眠・睡眠障害
28人が「非常に改善」または「大いに改善」と回答。
ハンチントン病
CBGは神経細胞の損傷を軽減し、運動機能の改善を示しました。この結果は、CBGが神経変性疾患の治療に有望であることを示唆しています。
炎症性腸疾患(IBD)
CBGは腸管の炎症を抑制し、酸化ストレスを軽減する効果を示しました。これにより、IBDの症状が改善されました。
日本では、規制上、規制対象外の成分のみを抽出した抽出物を使用する事が一般的で、CBGのみを抽出したものをCBGアイソレートと言います。CBGアイソレートは、不純物をほとんど含まない非常に高純度な状態です。これは、日本の規制が世界で最も厳しく、THCの残留基準を0.001%以下に設定しているためです(欧米の基準は0.2~0.3%以下)。
この厳格な基準に基づき、極めて高度な精製が行われます。この過程でさまざまな成分(農薬、重金属、菌類)も除去されるため、日本国内で流通するCBG製品は、実質的にその他に配合する原料の違いと言えます。ナノ化やリポソーム化などCBGアイソレートをさらに加工する場合は、性質に差が出ます。
CBGはまだ、十分に研究が進んでいません。しかし、CBGはカンナビノイドの一種であり、他のカンナビノイド(例えばCBD)と類似した特性を持つと考えられており、そのため、CBGの摂取方法、生体利用率、副作用などもCBDとほぼ同様と考えられています。
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