万能成分
重曹(炭酸水素ナトリウム)は、掃除や料理だけでなく、健康維持や美容の目的でも利用されることがあり、自然派健康法として注目されています。重曹は弱アルカリ性であるため、体内や皮膚の酸性バランスを整える効果が期待され、飲用や外用でさまざまな活用法があります。
重曹は世界中でも昔から美容や健康に活用されてきました。重曹の魅力は、その活用範囲の広さと効果の高さに加えて、非常に安価に入手できる事です。摂取量などを守れば安全です。最も重要なポイントは摂取量と頻度を守る事です。
- 食品グレードの使用:口に入れる場合や体に使用する場合は、食品用の重曹を選ぶ(掃除用は不純物が含まれます)。
- 過剰摂取は避ける:飲みすぎると、ナトリウムの過剰摂取や胃の不調を引き起こすことがあります。
- 持病のある方は医師に相談:高血圧や腎臓疾患がある場合、重曹が負担になることがあるため、必ず医師に相談しましょう。
- 目的:体の酸性度を軽減し、体調改善や疲労回復をサポート。
- 方法:
- コップ1杯(200ml)の水に、食品グレードの重曹を小さじ1/4程度加え、よく混ぜて飲む。(クエン酸を小さじ1/4程度加えても良い)
- 1日1回程度、空腹時に飲むのが推奨されます。
- 効果:
- 胃酸過多の軽減(胸焼けの改善)。
- 体のpHバランスの調整(酸性に傾いた体を中和)。
- 運動の持久力向上が期待される。
- 疲労回復(乳酸の中和による)。海外のアスリートの間では、「ベーキングソーダローディング」と呼ばれ、パフォーマンス向上を目的に研究されています。
- 「重曹+クエン酸」の炭酸水は、胃腸ケアや疲労回復、爽快感を得たい場合に適しています。
- 注意点:
- 高血圧の方や塩分制限が必要な方は医師に相談してください。
- 過剰摂取は胃腸の不調を引き起こす可能性があります。
- 健康な体では体内のpHバランスは自然に保たれるため、過剰な摂取や継続使用は避けることが重要です。
- 目的:口臭予防や口内のpHバランスの調整。
- 方法:
- コップ1杯の水に重曹を小さじ1/4加え、よく混ぜる。
- 重曹水でうがいや口をすすぐ。
- 効果:
- 口臭の原因となる酸性物質を中和。
- 口内の細菌の繁殖を抑える。
- 歯の汚れや黄ばみを軽減(研磨作用もあります)。
- 注意点:
- 重曹は研磨作用があるため、歯磨きに使用する場合は週1回程度にとどめる。
- 目的:疲労回復、皮膚の清潔維持、体臭予防。
- 方法:
- 浴槽のお湯(約200L)に重曹大さじ2~3杯を溶かし、よく混ぜる。
- 10〜15分ほど入浴する。
- 効果:
- 皮膚の角質や汚れを取り除き、肌がすべすべになる。
- 体臭の原因となる酸性物質を中和。
- 血行促進による疲労回復やリラックス効果。
- 注意点:
- 入浴後はしっかりと体を洗い流し、肌の乾燥を防ぐために保湿する。
- 敏感肌の方は使用前にパッチテストを行う。
- 目的:脇や足のにおい対策。
- 方法:
- 重曹を少量手に取り、脇の下や足の裏に軽くはたく。
- 水に重曹を溶かしてスプレー容器に入れ、気になる部分に吹きかける。
- 効果:
- 汗や皮脂の酸性物質を中和し、体臭を軽減する。
- 注意点:
- 肌が弱い方は事前に少量で試し、違和感があれば使用を中止する。
- 目的:毛穴の汚れ取り、角質ケア。
- 方法:
- 重曹小さじ1と水を混ぜ、ペースト状にする。
- 鼻やTゾーンなど気になる部分に塗り、1〜2分後に優しく洗い流す。
- 効果:
- 毛穴の詰まりや皮脂汚れを除去し、肌の透明感をアップ。
- 注意点:
- 強い研磨作用があるため、週1回程度の使用にとどめる。
近年、重曹の健康サポート効果がSNSを通じて注目を集めています。その中には、「重曹でがんが治る」といった主張も見受けられます。本記事では、こうした主張がどのような根拠に基づいて広まっているのかを解説します。
現在のところ、ヒトを対象とした臨床試験データは十分に揃っていません。さらに、今後ヒト臨床試験が積極的に行われる可能性は低いと考えられます。その理由として、重曹が安価で入手可能であることから、コストと時間をかけて研究を進めるメリットが企業にとって乏しい点が挙げられます。
酸性の腫瘍環境は以下の働きをもたらし、がん細胞の生存や増殖を助けます:
- 免疫細胞の活動を抑制:酸性環境では、T細胞 や ナチュラルキラー(NK)細胞 の働きが弱まります。
- 薬剤耐性の向上:酸性環境が抗がん剤の効果を低下させることがあります。
- 転移促進:酸性環境は腫瘍細胞の浸潤や転移を助ける酵素(例:MMP:マトリックスメタロプロテアーゼ)を活性化します。
重曹(炭酸水素ナトリウム)は弱アルカリ性(pH8.3)であり、体内に取り入れることで 腫瘍微小環境 の酸性度を緩和し、以下のような作用が期待されます:
- 腫瘍周囲のpHを上昇させる
- 重曹を飲むことで体内に吸収されると、血液や組織のpHバランスが改善され、腫瘍の酸性環境が中和されます。
- これにより、がん細胞の増殖速度の低下や浸潤・転移の抑制が示唆されています。
- 免疫細胞の活性化
- 酸性環境で働きが抑えられていたT細胞やNK細胞が活性化し、がん細胞を攻撃しやすくなると考えられています。
- 抗がん剤の効果向上
- 一部の抗がん剤は酸性環境で効果が低下することがあるため、重曹によるpH調整が抗がん剤の効果をサポートする可能性があります。
- 内容:マウスを用いた実験で、重曹水を経口摂取させることで腫瘍周辺のpHが上昇し、がん細胞の浸潤や転移が抑制される効果が観察されました。
- 結果:
- 重曹の摂取により、腫瘍周囲の酸性度が緩和されました。
- これにより、がん細胞の活動が弱まり、転移や浸潤が減少しました。
- 考察:腫瘍微小環境の酸性化ががんの進行を助長することが示唆されており、重曹によるpH調整が腫瘍の進行を抑える一つの可能性として示されました。
- 免疫療法との併用効果
- 重曹の経口摂取が、がんの酸性環境を中和し、免疫チェックポイント阻害薬(例:PD-1阻害薬)の効果を高める可能性があることが動物実験で示唆されています。
- がん細胞の薬剤耐性への影響
- 腫瘍環境の酸性度を重曹で緩和することで、抗がん剤の効果が向上する可能性が示されています。
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