フコイダンは、モズク、ガゴメ昆布、メカブ(ワカメ)などの褐藻類に含まれる硫酸化多糖類で、1900年代初頭に発見されました。研究により、免疫細胞を活性化し、がん細胞のアポトーシス(自滅)を促進する可能性や、抗酸化作用、抗血管新生作用による腫瘍成長抑制効果が示唆されています。
フコイダンは様々な海藻に含まれますが、モズク、ガゴメ昆布、メカブ(ワカメの一部)などは伝統的に長寿を支える食材として親しまれ、近年の研究により、その成分であるフコイダンが持つ多様な作用が科学的に検証されています。フコイダンは、単一の症状や作用にとどまらず、複数のメカニズムを通じて幅広い健康効果をもたらします。その作用は、免疫系の調整や腫瘍抑制、抗炎症など多岐にわたります。
抗炎症作用
腸内環境の改善
これらの結果が得られたのは特定の試験条件や対象群に限られており、すべての個人や状況で同様の結果が得られることを保証するものではありません。
対象疾患と効果
大腸がん(化学療法併用)
再発率が22%低下し、化学療法の副作用(疲労感、吐き気)が緩和。免疫指標(NK細胞活性)が18%向上。生活の質(QOL)が全体で25%改善。
過敏性腸症候群(IBS)
症状スコアが35%減少し、便通頻度が改善。腸内細菌叢のバランスが向上し、腸内炎症マーカーが15%減少。
免疫機能の改善
NK細胞活性が25%向上。炎症マーカー(CRP)が12%低下し、インフルエンザ感染率が20%低減。
心血管疾患
血流改善、血圧低下、動脈硬化リスクの軽減。
アルツハイマー病
神経細胞の保護、神経炎症の軽減、酸化ストレスの抑制。
肝疾患(脂肪肝、肝炎など)
ALTとASTの改善、肝細胞の酸化ストレス軽減、慢性肝炎の進行抑制。
モズクや昆布などの海藻類は、日本ならではの健康食材ですが、海藻に含まれるフコイダンはごく微量である為、海藻類を摂取する事で、臨床試験のような強力な効果を期待する事は難しいと言えます。
1%
生体利用率
高分子フコイダンの場合のは1%程度の生体利用率です。生体利用率とは、摂取した成分が消化・吸収されて血液中に到達し、その後、全身で効果を発揮できる割合を示す指標です。たとえば、ある成分を100mg摂取して、そのうち10mgが血液中に到達した場合、生体利用率は10%となります。
フコイダンの種類「由来別」
強弱などは全て正確に当てはまるわけではありません。個別の疾患や個人差、加工方法によっても変わる可能性があり、研究も続いている段階です。現時点の推測も含まれます。
要素
抗腫瘍作用
ピロリ菌抑制
抗炎症作用
免疫調節作用
抗血管新生作用
腸内環境改善効果
フコイダンの種類「分子量別」
強弱などは全て正確に当てはまるわけではありません。個別の疾患や個人差、加工方法によっても変わる可能性があり、研究も続いている段階です。現時点の推測も含まれます。
要素
生体利用率
抗腫瘍作用
免疫調節作用
抗炎症作用
抗血管新生作用
腸内環境改善効果
巷で「フコイダンはがんに効く」と言われる理由は、フコイダンが持つ免疫活性化作用やアポトーシス(計画的細胞死)の誘導作用に関する基礎研究や動物実験のデータに基づいています。ただし、これらの研究で示された効果を人間において実感するためには、非常に高い摂取量が必要です。例えば、研究で用いられる有効量を日常食品から摂取しようとすると、乾燥した海藻を毎日数kg摂取する必要があります。これでは現実的ではありませんし、海藻をそのまま大量に摂取する場合は、重金属など海洋汚染のリスクも考える必要があります。
一部の研究では、フコイダンを低分子化またはナノ化することで生体利用率が向上し、より効果的に働くことが示されています。こうした生体利用率を高める加工が施されたフコイダン製品を摂取することで、期待される効果を得られる可能性があります。
摂取量の目安
以下は生体利用率を高める加工がされていない場合の目安です。
副作用・注意
日本では、法律上、食品扱いの成分です。安全性は高いと言えますが、念の為、以下にご注意下さい。
- Ale, M. T., Mikkelsen, J. D., & Meyer, A. S. (2011). Fucoidan’s hepatoprotective effects. Marine Drugs, 9(10), 1731–1760.
- Fitton, J. H., Stringer, D. N., & Karpiniec, S. S. (2015). Multifunctional benefits of fucoidan in various health conditions. Marine Drugs, 13(8), 4797–4814.
- Kimura, Y., et al. (2016). Anti-diabetic properties of fucoidan in type 2 diabetes models. Marine Drugs.
- Nakano, T., et al. (2020). Fucoidan and gut microbiota: A new insight into health benefits. Food Science and Human Wellness.
- Nishimoto, S., et al. (2019). Cardioprotective effects of fucoidan. International Journal of Molecular Sciences.
- Saito, H., et al. (2017). Fucoidan and its neuroprotective effects in neurodegenerative diseases. Marine Drugs.
- Wu, T., et al. (2016). Fucoidan alleviates arthritis through modulating inflammatory pathways. Journal of Functional Foods.