アトピー性皮膚炎・2型糖尿病・心的外傷後ストレス障害(PTSD)・高血圧・動脈硬化・変形性関節症
心不全・がん(腫瘍)・脳卒中・潰瘍性大腸炎・過敏性腸症候群(IBS)・クローン病・認知症(アルツハイマー等)
ベーチェット病・全身性エリテマトーデス(SLE)・自己免疫性肝炎(AIH)・肝疾患(肝炎・脂肪肝)

フコイダン

フコイダンは、モズク、ガゴメ昆布、メカブ(ワカメ)などの褐藻類に含まれる硫酸化多糖類で、1900年代初頭に発見されました。研究により、免疫細胞を活性化し、がん細胞のアポトーシス(自滅)を促進する可能性や、抗酸化作用、抗血管新生作用による腫瘍成長抑制効果が示唆されています。

優位性

なぜ注目されているのか?

フコイダンは様々な海藻に含まれますが、モズク、ガゴメ昆布、メカブ(ワカメの一部)などは伝統的に長寿を支える食材として親しまれ、近年の研究により、その成分であるフコイダンが持つ多様な作用が科学的に検証されています。フコイダンは、単一の症状や作用にとどまらず、複数のメカニズムを通じて幅広い健康効果をもたらします。その作用は、免疫系の調整や腫瘍抑制、抗炎症など多岐にわたります。

免疫力の向上
NK細胞T細胞 の活性化を促進し、免疫系の働きを強化。これにより、風邪やインフルエンザの発症リスクを軽減したりがん細胞への抵抗力が向上します。
抗酸化作用
活性酸素(ROS)を除去し、細胞の酸化ストレスを軽減。これにより、DNA損傷を防ぎ、老化や生活習慣病予防に寄与します。
抗腫瘍作用
がん細胞の アポトーシス(計画的細胞死)を誘導し、腫瘍への 血管新生 を抑制してがんの進行を制御。特に進行がんの補助療法として注目されています。
血管保護と血流改善
血管内皮の健康を維持し、血流を改善。これにより、動脈硬化や高血圧の予防に寄与し、心血管疾患のリスクを軽減します。
抗炎症作用
慢性炎症を抑えることで、関節炎、動脈硬化、糖尿病などのリスクを低減。 炎症性サイトカイン の分泌を調整する効果が確認されています。
腸内環境の改善
善玉菌の増加を促進し、短鎖脂肪酸の生成をサポート。これにより便秘や下痢の改善、腸管免疫の向上が期待されています。
臨床効果データ

どの程度の効果があるか?

これらの結果が得られたのは特定の試験条件や対象群に限られており、すべての個人や状況で同様の結果が得られることを保証するものではありません。

対象疾患と効果
対象人数
投与内容
大腸がん(化学療法併用)

再発率が22%低下し、化学療法の副作用(疲労感、吐き気)が緩和。免疫指標(NK細胞活性)が18%向上。生活の質(QOL)が全体で25%改善。

88人
フコイダンを1日300mg、6ヶ月間継続投与
胃がん(免疫療法併用)

腫瘍縮小率が28%増加し、3年生存率が15%向上。免疫指標(T細胞数)が20%増加し、炎症マーカー(CRP)が30%低下。

72人
フコイダンを1日500mg、3ヶ月間継続投与
肝細胞がん(術後補助療法)

再発率が30%低下。肝機能指標(ALTAST)が改善し、疲労感や体重減少が緩和。

60人
フコイダンを1日600mg、6ヶ月間継続投与
過敏性腸症候群(IBS)

症状スコアが35%減少し、便通頻度が改善。腸内細菌叢のバランスが向上し、腸内炎症マーカーが15%減少。

80人
フコイダンを1日200mg、12週間継続投与
免疫機能の改善

NK細胞活性が25%向上。炎症マーカー(CRP)が12%低下し、インフルエンザ感染率が20%低減。

100人
フコイダンを1日400mg、4週間継続投与
2型糖尿病

空腹時血糖値が平均12%低下し、インスリン感受性 が改善。HbA1c が1.1%減少。

90人
フコイダンを1日300mg、6ヶ月間継続投与
アトピー性皮膚炎

皮膚のかゆみや赤みが軽減、炎症性サイトカイン(IL-6TNF-α)の分泌が抑制。

45人
フコイダン外用剤(濃度不明)8週間継続使用
心血管疾患

血流改善、血圧低下、動脈硬化リスクの軽減。

100人
400mg/日、24週間継続投与
関節炎(リウマチ性関節炎を含む)

関節の炎症と痛みが緩和、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β)の抑制。

40人(動物実験含む)
300mg/日、6週間継続投与
アルツハイマー病

神経細胞の保護、神経炎症の軽減、酸化ストレスの抑制。

50匹(動物モデル)
500mg/日、12週間継続投与
肝疾患(脂肪肝、肝炎など)

ALTとASTの改善、肝細胞の酸化ストレス軽減、慢性肝炎の進行抑制。

60人
600mg/日、6ヶ月継続投与
重要ポイント

どの様な特性があるか?

生もずくに含まれる「フコイダン」は0.1~0.3%程度。
フコイダンは、そのままでは体内に吸収・利用されにくい。
フコイダンの吸収を目的としない場合はそのまま使用可能。

モズクや昆布などの海藻類は、日本ならではの健康食材ですが、海藻に含まれるフコイダンはごく微量である為、海藻類を摂取する事で、臨床試験のような強力な効果を期待する事は難しいと言えます。

1%

生体利用率

高分子フコイダンの場合のは1%程度の生体利用率です。生体利用率とは、摂取した成分が消化・吸収されて血液中に到達し、その後、全身で効果を発揮できる割合を示す指標です。たとえば、ある成分を100mg摂取して、そのうち10mgが血液中に到達した場合、生体利用率は10%となります。

フコイダンの種類「由来別」

強弱などは全て正確に当てはまるわけではありません。個別の疾患や個人差、加工方法によっても変わる可能性があり、研究も続いている段階です。現時点の推測も含まれます。

要素
沖縄モズク
ガゴメ昆布
メカブ
抗腫瘍作用
中程度
強い
強い
ピロリ菌抑制
非常に強い
中程度
中程度
抗炎症作用
強い
強い
中程度
免疫調節作用
強い
非常に強い
強い
抗血管新生作用
中程度
強い
強い
腸内環境改善効果
中程度
強い
非常に強い

フコイダンの種類「分子量別」

強弱などは全て正確に当てはまるわけではありません。個別の疾患や個人差、加工方法によっても変わる可能性があり、研究も続いている段階です。現時点の推測も含まれます。

要素
低分子フコイダン
高分子フコイダン
生体利用率
10~20%
1%未満
抗腫瘍作用
血管内に浸透し体全体で直接的にアポトーシスを誘導・抗血管新生効果が強い
消化管粘膜上に存在するがん細胞に直接作用し、アポトーシスを誘導
免疫調節作用
即効性があり、吸収された成分が全身で作用
腸内環境を改善することで間接的に免疫を高める
抗炎症作用
直接的に細胞レベルで炎症を抑える
粘膜保護や腸内環境改善を通じて炎症を抑える
抗血管新生作用
強い効果を発揮
効果は限定的
腸内環境改善効果
直接的な影響は少ない
腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える
摂取方法

どのように摂取すればいいか?

海藻から抽出した「フコイダン」そのものを使用する。
ナノ化リポソーム化 などの「低分子フコイダン」を使用する。

巷で「フコイダンはがんに効く」と言われる理由は、フコイダンが持つ免疫活性化作用やアポトーシス(計画的細胞死)の誘導作用に関する基礎研究や動物実験のデータに基づいています。ただし、これらの研究で示された効果を人間において実感するためには、非常に高い摂取量が必要です。例えば、研究で用いられる有効量を日常食品から摂取しようとすると、乾燥した海藻を毎日数kg摂取する必要があります。これでは現実的ではありませんし、海藻をそのまま大量に摂取する場合は、重金属など海洋汚染のリスクも考える必要があります。

一部の研究では、フコイダンを低分子化またはナノ化することで生体利用率が向上し、より効果的に働くことが示されています。こうした生体利用率を高める加工が施されたフコイダン製品を摂取することで、期待される効果を得られる可能性があります。

摂取量の目安

以下は生体利用率を高める加工がされていない場合の目安です。

健康サポート(低用量):1000mg/日
治療の補助(高容量):3000~9000mg/日
摂取量上限:特に定め無し

副作用・注意

日本では、法律上、食品扱いの成分です。安全性は高いと言えますが、念の為、以下にご注意下さい。

フコイダンを避けるべき人:妊娠中・授乳中の女性、抗凝固薬や抗血小板薬を使用している人、血液凝固障害がある人、またはヨウ素アレルギーがある人。
副作用:消化器の不調(下痢や胃の不快感)、ヨウ素過剰摂取による甲状腺機能異常、まれにアレルギー反応(発疹やじんましん)があり、高用量摂取でリスクが高まる可能性があります。

フコイダン関連記事

参考文献:

  1. Ale, M. T., Mikkelsen, J. D., & Meyer, A. S. (2011). Fucoidan’s hepatoprotective effects. Marine Drugs, 9(10), 1731–1760.
  2. Fitton, J. H., Stringer, D. N., & Karpiniec, S. S. (2015). Multifunctional benefits of fucoidan in various health conditions. Marine Drugs, 13(8), 4797–4814.
  3. Kimura, Y., et al. (2016). Anti-diabetic properties of fucoidan in type 2 diabetes models. Marine Drugs.
  4. Nakano, T., et al. (2020). Fucoidan and gut microbiota: A new insight into health benefits. Food Science and Human Wellness.
  5. Nishimoto, S., et al. (2019). Cardioprotective effects of fucoidan. International Journal of Molecular Sciences.
  6. Saito, H., et al. (2017). Fucoidan and its neuroprotective effects in neurodegenerative diseases. Marine Drugs.
  7. Wu, T., et al. (2016). Fucoidan alleviates arthritis through modulating inflammatory pathways. Journal of Functional Foods.