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フアイア

フアイアとは、Trametes robiniophila Murr というキノコから抽出されたエキスで、伝統医学において約1600年前から利用されてきました。特に、中国での使用実績が長く、癌治療の補助療法として高い評価を受けています。現代医学の研究が進んだ結果、その抗腫瘍作用や免疫調整効果が臨床的に認められ、広範な応用が可能になっています。

優位性

なぜ注目されているのか?

フアイアは、中国の伝統医学で炎症や腫瘍抑制に用いられ、『本草綱目』に記録があることから16世紀には知られていました。1980年代、復旦大学附属腫瘍病院で原発性肝癌への効果が確認され、1992年に進行性肝癌治療薬として承認されました。フアイアに含まれるβ-D-グルカンは特有の分岐構造を持ち、免疫細胞の受容体と結合して免疫応答を促進します。他のキノコのβ-グルカンと構造が異なり、特に抗腫瘍効果や免疫調節作用で独自の特性を示します。

多角的な抗がん作用
フアイアは、多糖類やタンパク質などの成分が相乗的に働くことで、癌細胞の成長を抑制し、自然な細胞死(アポトーシス)を促し、癌細胞の増殖を助ける「PI3K/Akt 経路」を阻害します。
がんの再発防止
臨床試験では、フアイアを使った患者で再発する確率が大きく下がったことが確認されています。また、5年間再発しない人の割合(無再発生存率)が向上したことも報告されています。
癌の成長を抑制
フアイアは、体内の炎症を抑える効果もあり、炎症の原因となる物質(IL-6TNF-α)を減らし、癌細胞が成長しにくい環境を整えます。
免疫力の強化
フアイアは、免疫システムの中で重要な役割を持つ ナチュラルキラー(NK)細胞T細胞 を活性化し、癌細胞が免疫の攻撃を逃れるのを防ぎます。
臨床効果データ

どの程度の効果があるか?

これらの結果が得られたのは特定の試験条件や対象群に限られており、すべての個人や状況で同様の結果が得られることを保証するものではありません。

対象疾患と効果
対象人数
投与内容
肝細胞癌

再発率が有意に低下し、無再発生存率(RFS)が改善。

1,044人
1日あたり20gのフアイア顆粒を3回に分けて投与
乳がん(化学療法後)

腫瘍マーカー(CA15-3)が平均35%低下し、NK細胞の活性向上を確認。

300人
1日あたり20gのフアイア顆粒を3回に分けて投与
胃がん

腫瘍増殖率が平均40%低下し、治療後の生活の質(QOL)が改善。

不明
具体的な摂取量の記載はなし
大腸がん

再発率が15%低下し、癌マーカー(CEA値)の顕著な減少を確認。

128人
1日あたり20gのフアイア顆粒を3回に分けて投与
肺がん(化学療法併用)

1年生存率が18%向上し、免疫関連物質(IL-2やIFN-γ)の増加が見られた。

102人
具体的な摂取量の記載はなし
卵巣がん(化学療法後)

再発率が25%低下し、癌抗原(CA-125)が平均40%減少。

320人
具体的な摂取量の記載はなし
重要ポイント

どの様な特性があるか?

フアイアの効果を得る為には多くの摂取が必要。
フアイアの主成分は、そのままでは体内に吸収・利用されにくい。

フアイアを抽出する為のキノコは、天然では非常に希少性の高く、人工栽培が一般的です。無加工の状態では、大量に摂取する必要があります。中国では抗癌剤として承認されていますが、一方で非常に安全性が高いのが特徴です。

フアイアの主成分

  • β-D-グルカン:フアイアの主要成分で、特に β-D-グルカン が豊富に含まれています。この成分は、免疫細胞(NK細胞マクロファージ)を活性化し、抗腫瘍効果が期待されています。また、PI3K/Akt経路 を遮断することでがん細胞の増殖を抑制し、免疫機能を高める働きも示唆されています。
  • TPG-1(プロテオグリカン):フアイア特有の成分として知られるプロテオグリカンの1種であるTPG-1は、多糖類とタンパク質が結合した複合体です。免疫細胞を活性化することでアポトーシス(細胞の自然死)を誘導し、がん細胞の増殖を抑える可能性が研究されています。また、炎症の抑制や細胞増殖の制御に関与するともいわれています。
  • 水溶性タンパク質:フアイアには抗酸化作用を持つ水溶性タンパク質が含まれています。この成分は、炎症性サイトカイン(IL-6や TNF-α)の生成を抑制し、酸化ストレスを軽減することで、体内環境を整える働きが期待されています。
  • アミノ酸:フアイアに含まれるアミノ酸(グルタミン、アスパラギン酸、グリシンなど)は、細胞の修復や免疫機能の向上に寄与します。特にT細胞の活性化を促進し、免疫力を高めることでがん細胞への攻撃をサポートすると考えられています。
  • 微量元素:フアイアには、セレン や 亜鉛 といった微量元素が含まれており、これらは体内で抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ や スーパーオキシドジスムターゼ)の働きを高めるとされています。これにより、酸化ストレスを抑え、細胞膜の損傷を防ぐ可能性があります。
  • フェノール性化合物:抗酸化作用を持つフェノール性化合物は、細胞の酸化的ダメージを防ぎ、老化や慢性疾患のリスク軽減に寄与するとされています。活性酸素種(ROS)の除去に効果があることも注目されています。
摂取方法

どのように摂取すればいいか?

キノコから抽出した「フアイア」そのものを使用する。
ナノ化、リポソーム化などの「フアイア」を使用する。
プロバイオティクス(ビフィズス菌など)を併用し、腸内での代謝を促進。

フアイア由来のTPG-1は、分子量が大きいため、そのままでは吸収されにくく、消化酵素や腸内細菌による分解が必要です。これに対し、β-D-グルカンは消化酵素では分解されないものの、腸内細菌による発酵によって低分子化され、効果を発揮するとされています。いずれも臨床試験のような効果を期待する場合は、大量の摂取が必要となりますが、生体利用率を高める加工をする事で少ない摂取量にする事ができます。長期間使用する場合は、摂取しやすくするために低分子化や製剤技術の工夫が重要であり、直接吸収と間接的な腸内環境の改善を組み合わせて作用する点が共通しています。

摂取量の目安

以下は生体利用率を高める加工がされていない場合の目安です。

健康サポート(低用量):1回あたり3g以下(1日1回または2回)
治療の補助(高容量):1回あたり3~6g(1日2回または3回)
摂取量上限:1日20g以下(副作用を極力、避ける為)

副作用・注意

日本では、法律上、食品扱いの成分です。安全性は高いと言えますが、念の為、以下にご注意下さい。

フアイアを避けるべき人:妊娠中・授乳中の女性、子供、免疫抑制剤や抗凝固薬を使用中の人、キノコアレルギーがある人。
副作用:消化器の不調(胃痛、吐き気、下痢)、アレルギー反応(発疹、じんましん)、血糖値や血圧の変動、高用量使用による免疫系の過剰反応。

フアイア関連記事

参考文献:

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  2. Zhang, N., et al. (2020). “The role of Huaier in cancer therapy.” Cancer Medicine, 9(7), 2429-2439.
  3. Wang, X., et al. (2016). “Mechanisms of Huaier polysaccharides in cancer treatment.” Biomedicine & Pharmacotherapy, 83, 1085-1091.
  4. Liu, C., et al. (2018). “Effect of Huaier granule on recurrence after curative resection of HCC: A multicentre, randomised clinical trial.” Gut, 67(11), 2006-2016.
  5. Wang, X., et al. (2016). “Huaier aqueous extract suppresses human breast cancer cell proliferation through inhibition of estrogen receptor α signaling.” Biomedicine & Pharmacotherapy, 83, 351-360.
  6. Zhang, L., et al. (2020). “Efficacy and safety of Huaier granules combined with chemotherapy for gastric cancer: A protocol for systematic review and meta-analysis.” Cancer Medicine.
  7. Zhang, L., et al. (2020). “Efficacy and safety of Huaier granules combined with chemotherapy for ovarian cancer: A systematic review.” Cancer Medicine.
  8. Xu, Z., et al. (2018). “Molecular insights into β-D-glucan’s role in immunomodulation and anti-cancer therapy.” International Journal of Biological Macromolecules, 120, 788-797.
  9. Lin, L., et al. (2020). “Anti-inflammatory and immunoregulatory functions of Huaier extract: Applications in cancer therapy.” Pharmacological Research, 155, 104746.
  10. Tang, Q., et al. (2018). “Antioxidant activities of water-soluble proteins isolated from Huaier and their potential applications.” Food Chemistry, 240, 898-905.